赤い果実を・・2点 (ツルリンドウとサルトリイバラ)

冬枯れた楓の葉の下で、真っ赤に熟したツルリンドウ(蔓竜胆:リンドウ科の多年草)の果実を見つけました。「蔓」の名が付けられていますが、あまり長く茎は伸びず、地表を這って成長し、小さな植物に巻きついて立ち上がります。夏の終わりに淡い紫色の花を咲かせ、晩秋から初冬にかけて、美しい赤い実をつけてくれます。(写真1)

サルトリイバラ(猿捕茨:ユリ科のつる性半低木)も赤い実を付けていました。雌雄異株の植物で、もちろん雌株のみ果実を付けます。太い樹木などにも絡みながら、長く茎を伸ばして成長します。茎には鋭いトゲがあり、葉柄には巻きひげをもち、これで植物に絡みつくようです。名前の由来は、トゲのある茎が成長して藪のようになると、猿も捕えられるということから。別名のサンキライ(山帰来)は、山で遭難した人が、滋養強壮に効果のあるこの植物の根を食べて帰還できたことから、という説があります。